緊急薬剤と臨床効果の組み合わせで正しいのはどれか。
a. 塩酸ドパミン…ショック時の腎機能保護
b. カルシウム…心拍再開後の心筋収縮力増強
c. 炭酸水素ナトリウム…心室細動の除細動率向上
d. ニトログリセリン…急性心不全の肺うっ血改善
e. リドカイン…難治性心室細動の救命率向上
【 正解 】 d
a. 塩酸ドパミン…ショック時の腎機能保護
b. カルシウム…心拍再開後の心筋収縮力増強
c. 炭酸水素ナトリウム…心室細動の除細動率向上
d. ニトログリセリン…急性心不全の肺うっ血改善
e. リドカイン…難治性心室細動の救命率向上
【 正解 】 d
a. 塩酸ドパミン…カタボンHi、カタボンLow、プレドパ注600、プレドパ注200
2~4γ:ドパミン受容体作動優位
5~10γ:β1・β2作用優位
10~20γ:α作用優位
【適応】アトロピン無効の除脈、低血圧
【用法】1~5γで開始、5~20γで維持する。
b. カルシウム…カルチコール、塩化カルシウム、塩カル
心停止におけるカルシウム使用の有効性は示されていない。
【適応】高K血症、低Ca血症以外では、使用すべきではない。
【注意】ジギタリス投与中では不整脈を誘発する事があるので注意。
c. 炭酸水素ナトリウム…メイロン、メイロン84
【適応】高K血症、pH7.2以下の代謝アシドーシス、三環系抗うつ薬・バルビツール・アスピリンの薬物中毒
【用法】初回1mEq/kg
【注意】心停止中および蘇生後の投与による予後改善には根拠がない。
d. ニトログリセリン…ミリスロール
血管平滑筋の弛緩作用。低容量(30~40μg/分)では静脈拡張作用、高容量(150~500μg/分)では細動脈拡張作用
【適応】急性冠症候群、高血圧緊急症、うっ血性心不全
【注意】下壁梗塞(右室梗塞)では血圧低下時には補液する。
副作用として、頻脈・換気血流不均衡による低酸素症・頭痛
e. リドカイン…キシロカイン
蘇生時用=2%、持続投与用=10%
【適応】除細動・エピが無効なVf・pulseless VT、血行動態が不安定なPVC、血行動態が安定しているVT
【用法】初回1.5mg/kg静注、3~5分おきに1.5mg/kgを追加投与(トータル3.0mg/kgまで)
【注意】Vf・pulseless VTに対して有意に救命率を向上させるという報告はない。
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