成人の外傷性血気胸に対する胸腔ドレーンの挿入方法として正しいのはどれか。
a. 18Frのトロッカーカテーテルを挿入する。
b. 刺入部位は第7肋間の中腋窩線上とする。
c. 局所麻酔薬は皮下組織と骨膜までに浸潤させる。
d. 胸膜に開けた孔から指で胸腔内を確認する。
e. ドレーンは横隔膜面の腹側に留置する。
【 正解 】 d
a. 18Frのトロッカーカテーテルを挿入する。
b. 刺入部位は第7肋間の中腋窩線上とする。
c. 局所麻酔薬は皮下組織と骨膜までに浸潤させる。
d. 胸膜に開けた孔から指で胸腔内を確認する。
e. ドレーンは横隔膜面の腹側に留置する。
【 正解 】 d
a. 気胸の場合、20~32Fr 血胸などの場合、28~32Fr
診断目的や少量の場合には、16~18Gのテフロン針でよい。
b. 挿入部は、第5~6肋間前腋窩線あるいは中腋窩線とする。ただしエコーなどで確認してからのほうがベターである。
c. 局所麻酔は、皮下~骨膜~胸膜まで浸潤させる。
d. 予定胸膜穿破部の一つ尾側の肋間レベルに皮膚切開を置き、皮下トンネルを作る。胸膜をペアンで穿破するさいに迷走神経反射やpleural shockを起こす事があるため、ルートを確保してモニタリングをするほうが良い。また指で胸腔内を確認し癒着を剥離する。
e. ドレーンをクランプしてから、肺尖部背側に挿入する。
・気胸の場合には、第2~3肋間鎖骨中線上でもよい。その際は肺尖部腹側に向ける。
・皮下に誤挿入されていないことの確認のため、チューブ内腔の曇りや液体の呼吸性移動を確認する。明瞭でない場合には少量の生理食塩水を注入して呼吸性変動を確認してもよい。
・チューブ固定用の縫合糸は2-0以上の絹糸か3-0以上のナイロン糸がよい。
・あらかじめ水平あるいは垂直マットレス縫合をかけておくと良い。
・持続ドレナージユニットは、-10~15cmH2Oの吸引圧とする。
・単純気胸や少量の胸水の場合には、Heimlich一方向弁でもよい。
・排液が100ml/日以下>>12時間以上クランプしても胸部レントゲン上変化なし>>抜去
・患者搬送時にはドレナージユニットを患者より上に持ち上げない。
・急激に再膨張させると肺水腫を来たす場合があるため、数時間かけて徐々に膨張させる。
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