平成17年度 問題２１

診断的腹腔洗浄について正しいのはどれか。３つ選べ。
a.　穿刺部位は臍直下の正中である。
b.　カテーテルを傍結腸溝に進める。
c.　成人では生理食塩水１Lで洗浄する。
d.　アミラーゼ値が判断材料に使用される。
e.　受傷直後から約18時間後までが適応である。

【　正解　】　a,c,d

a.       穿刺部位は臍直下の正中である。

b.       カテーテルをダグラス窩方向に進める。

c.        成人では生理食塩水１Lで洗浄する。

d.       アミラーゼ値が判断材料に使用される。

e.        受傷3時間後から約18時間後が診断的信頼度が高い。

 

☆腹腔穿刺・腹腔洗浄の適応

消化管破裂・穿孔に伴う腹膜炎診断で…

①     腹部外傷で打撲の筋肉痛か筋性防御かの鑑別が困難な場合

②     腹部所見が認められない脊髄損傷を合併する場合

③     腹部外傷で高度の意識障害を有する頭部外傷を合併する場合

 

【腹腔穿刺について】

・穿刺部位は、腹直筋外側の4箇所

・穿刺後、傍結腸溝に外筒を進める。

・手術痕は下に腸管癒着の可能性があるので避ける。

 

【腹腔洗浄について】

・穿刺部位は、臍直下正中

・穿刺後、ダグラス窩方向に洗浄用カテーテルを進める。

・癒着が疑われる症例に勧められる。

・成人　1000ml　小児　15～20ml/kg

・15分ほど体位変換を行う。

・腹腔洗浄液による診断

腹腔内出血：洗浄液中のRBC＞100×10３/ul 腸管破裂・穿孔：洗浄液中のWBC＞500/ul、あるいはWBC＞RBC/150 膵炎・膵損傷・腸管破裂穿孔：洗浄液中のアミラーゼ＞200IU/l